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近畿地方特定郵便局長会会長
(兵庫:和田山本町郵便局長)
小出 信篤
「地域との共生・新郵便局」
郵政事業も、国の機関としての136年の歴史的役割を終え、4分社化されたグループ会社として民営化されてから、早いもので4ヶ月が経過しました。
郵政事業と共に歩んできた特定郵便局も、国民と直に接する郵便局会社の窓口機関として、新しくスタートを切ったところであります。
昨年10月までの準備期間、納得しがたい内容の民営化計画ではありましたが、平成17年9月の郵政解散において小さな政府の改革フィーバーの中で、国民が民営化を選択したという現実を真摯に受け止め、民営化が国民・利用者にとってより利便性が高まりサービスアップに繋がらなければ多くの犠牲を出してまで民営化した意義がないと、深夜まで準備作業に精力的に取り組んできました。
郵政事業に先駆けて民営化したJR等とは違い、実質6ヶ月の準備期間で、お客さま対応を含め心身ともに疲労も極限に達するなかで平成19年10月の民営化スタートを迎えられたのは、我々局長の本来の使命である日常的な地域活動で、平素からお客さまとの人間関係を大切に、地域に密着し、地域を愛して取り組んできた賜物といえます。正に、136年にわたる幾多の苦難を乗り越え築かれた、特定郵便局制度に支えられた特定郵便局長としての自信と誇りが成し得たと言っても過言ではないと思います。
しかしながら、システム整備、各会社間の取扱調整、関係法整備、移行業務研修、常態的要員不足等々、スタート直後からトラブルが続発し、現場は大きな混乱をきたし、国の機関が、しかも物流・金融の両部門を扱うマンモス事業が、民営化される大事業とは到底思えない状況下でのスタートとなったことは周知のところであります。当然のことながら、利用者の苦情・申告は今日に至ってもあとを絶たないところでありまして、やはり4分社化がこれらの諸問題の根源にあると思わざるを得ません。
私の住む地域は、全国でも有数の少子・高齢化地域であり人口の減少は著しく、そのような中で、利用者の減少による郵便局ネットワークの維持に大きな不安を感じています。
民営化になり「何が変わったのか」「何処が改善されたのか」「何に希望を持てば良いのか」等、図りかねているのが現状と言えます。郵政事業が民営化されたことにより、発生している各種手続きの煩雑さ、待ち時間の大幅な延長、各種料金の大幅な引き上げ等々、これが改革なのか、これが国民・利用者のための民営化なのか、「何処か違うのではないか」という声は確実に増加しており、地域の人々は物流・金融の拠点である郵便局が、民営化によって改善ではなく改悪になったという印象を強く持っておられる。民営化は、国民・利用者にとって、決して期待されていた方向に進んでいないということの証左ではないだろうか。
民営化が法律により決定された以上は、幾らお客さまに異論があろうとも、そのままでは現状を変えることはできません。民営化によって生じた問題点や地域の声を、しっかりと政治の場に届けることが私たちの努めだと思います。
幸いにして、我々は民営化により公務員の制約から外れることとなりました。これまで以上に、政治的発言力を強め、影響力を発揮して、早期に問題点の解決に当たらなければならないと考えています。地方の役員には、リーダーシップを発揮し、現実から逃避することなく会員の先頭に立って行動を起こしていただこうとかんがえております。
今こそ、私たち局長は、明治4年の創業の原点に立ち返り、郵便局長としての自信と誇りを矜持し、地域社会から益々信頼され必要とされる存在となるように研鑽したと思います。
現在、全国各地で地区会の定期総会が開催されています。現場の実情を訴えるには絶好の機会といえます。将来的に必ず来るであろう政治対応に備えて、郵便局の理解者や支援者づくりは不可欠であります。総会の場を有効に活用したいものです。
地域住民のライフラインとしての郵便局が、地域と共生し発展するため、局長に課せられた使命は重いものがありますが、私たちには、これまで幾多の困難を乗り越えてきた経験があります。それぞれの局長が、地域色を最大限に活かし、お客さまの期待に応える特色ある新郵便局を、全員の力を結集して作り上げるために、以前にも増して、地域のお客さまとの触れ合いを大切に、積極的な地域貢献策を展開していきたいものと考えています。