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郵便局長のことば

全特理事
全特理事・東北地方会会長
八重樫 信
心ひとつに



 民営化されて1年が経過しました。民営化により、お客さまはもちろん働く社員にとっても、よりサービスが良くなり、働きがいのあるものとなるとの謳い文句でスタートしましたが、民営化前後の混乱は周知のとおりとなりました。
 全特としても、会員の意見を採り入れお客さまと会社のことを考えて交渉を重ね、要望書を提出し改善に向け努力をしてまいりましたが、まだまだ課題山積の状況下にあります。
 平成20年松山総会(「活動状況(総会)」参照)で会則改正をし「会員の団結により、郵政事業及び地域社会の発展に寄与するとともに、会員の勤務条件の向上を図ることを目的として政治的社会的主張、行動をしていく」ことを確認しました。その基本は、会員の団結で、原点は地域における日常の活動にあります。
 私たちは、先人が築き上げた国民の財産である郵便局ネットワークをしっかりと維持発展させるべく、地域活動の中から信頼を築き、局長の存在感を発揮して「あなたの街の郵便局」であり続けるために、高邁な精神と使命感で日夜懸命に努力しております。その局長の顔がいま、残念ながら地域から薄れかけているのが現状ではないでしょうか。
 8月に東北各地では、短い夏を惜しむかのように一斉に夏祭りが開催されました。民営化前は、その祭りの中で職員と家族そして地域の皆さまと一体となって「あなたの街の郵便局」をしっかりとPRしてきました。地域対策費が助成され施策内容も毎年充実していました。しかし、民営化により費用対効果による経費節減と、どの会社が主導するかの問題もあり、今までのような地域貢献活動が難しくなってしまいました。その結果、これまで毎年、太鼓や浴衣等、公費のほかに会員の寄付により準備してきたものは全て廃棄処分となりました。地域の皆さまからは「民間になったなら、もっと経費をかけ他民間会社と同様に参加するものと思っていたが残念です」との声が聞かれました。
 民営分社化され、制度設計の悪さからの弊害で、公の精神が忘れられようとしています。以前は地域活動を重視した予算措置もされ、少なくとも郵便局は地域の核となって動いていました。地域における郵便局長杯争奪のスポーツ大会等は、ほとんどの局主催で行われ、郵便、貯金、簡保の事業を推進する友の会や団体は、郵便局を支える原動力にもなっていました。郵便局が地域の拠点として交流の場になっていたのですが、現在はどうでしょうか。
 金融庁検査、内部統制や採算を重要視することは民間の基本としては理解するものの、郵便局の特性は公共性と企業性とのバランスのとれた経営にこそあったように思います。民営化後は収益力アップと費用削減が強調され、複雑なマニュアルに縛られ、事務ミスを問責されるなど、局長が地域に出向いていく状況も余裕もないため窓口での応対に留まり、自分さえよければの気配さえ感じられます。
 営業の会社は、もっと営業のしやすい環境づくりに、力をいれなければなりませんし、今までの郵便局の社会的使命は、時代が変わっても不変であるはずです。このような現況を打破するには、悪い制度設計を見直すしかありません。このままでは、地域の皆さまが、民間になっての不便さにも次第に慣れ、苦情も諦め、表面上は何事もないかのような状況になってしまうことが懸念されます。そして、突然、郵便局がその地から撤退する場面に出合って初めて民営化の悪さを改めて強く感じることになりかねません。我々は、今から郵便局の現況をお客さまにご理解していただき、制度設計の見直しをご理解いただき、支援者拡大を根気強く展開していかなければなりません。いつでも、郵便局長を応援してくれる支援者を一人でも多くつくり、郵政事業の発展のためにご協力をいただき、地域社会の発展に貢献していかなければなりません。
 北京オリンピックは「一つの世界 一つの夢」をスローガンに、人権問題、民族問題等を乗り越え夢の実現に向け、世界最多の13億人が心ひとつに、世界の超大国へと飛躍することをめざしました。我々も郵便局ネットワーク維持とお客さまが期待する「あなたの街の郵便局」を取り戻すために、今こそ心をひとつにして、全会員が一体となって地域に密着した郵便局づくりと集団的機能の発揮を強力に展開しなければならないと考えています。